今回は、ドローンに関連する国家資格である『アマチュア無線従事者免許』『陸上特殊無線技士免許』についてご紹介していきたいと思います。
まずその概要からお伝えし、各資格の詳細について発行元や内容、試験に関する情報などを順にお伝えしていきたいと思います。
Contents
『アマチュア無線従事者免許』
まず初めに、『アマチュア無線従事者免許』についての紹介です。
アマチュア無線従事者免許とは、電波法に規定された無線従事者として認められていることを示す免許です。
日本で5.8GHzを使用するときに必要となるのが「第4級アマチュア無線従事者免許」で、無線従事者の免許は1級〜4級に分かれています。
この5.8GHzを使用する代表的なドローンは、FPV対応のドローンなどがありますね。
この資格があれば、5.8GHz対応のゴーグルを装着して、FPVを楽しんだり、ドローンレースに参加したりすることができるんです。
ドローンでFPVを楽しみたい方、ドローンレースに参加してみたい方は、ぜひとも取得しておきたい国家資格です。
『陸上特殊無線技士免許』
続いて、『陸上特殊無線技士免許』の紹介です。
陸上特殊無線技士免許とは、総務省所管の無線従事者の一種で国家資格で、最近では学生から社会人まで年間170万人以上が取得しています。
陸上で無線局の無線設備に関する技術的な操作を行う際に必要となる免許なんですね。
身近な例では、タクシーに使われているものがあります。
タクシーに使用されている無線の基地局において、設備など技術的な操作を行う際に、操作をする人が取得していないといけない資格になっています。
用途としては、趣味ではなく実際にドローンを使用して仕事をしてみたい人におすすめの資格です。
ドローンパイロットのマネジメントをしたり、『測量、インフラ点検、警備、物流』といったこれから伸びるドローン事業分野で働きたいという人はぜひチェックしておきたい資格になっています。
各資格の種類
ここでは、アマチュア無線従事者免許と陸上特殊無線技士免許の各資格の種類について説明していきたいと思います。
アマチュア無線従事者免許の資格の種類とその説明
資格の種類について
資格の種類 |
操作できる範囲 |
資格の取得方法 |
第4級アマチュア無線技士 |
アマチュア無線局の無線設備で次に掲げるものの操作(モールス符号による通信を除く) 1 空中線電力10W以下の無線設備で21メガヘルツから30メガヘルツまでまたは8メガヘルツ以下の周波数の電波を使用するもの 2 空中線電力20W以下の無線設備で30メガヘルツを超える周波数の電波を使用するもの |
●(財)日本無線協会が開催する第4級アマチュア無線技士国家試験を受験し合格する。 ●JARD(一般財団法人日本アマチュア無線振興協会) または QCQ企画 その他が主催する講習会を受講して、修了試験に合格する。 |
第3級アマチュア無線技士 |
アマチュア無線局の空中線電力50W以下の無線設備で18メガヘルツ以上または8メガヘルツ以下の周波数の電波を使用するものの操作 |
●(財)日本無線協会が開催する第3級アマチュア無線技士国家試験を受験し合格する。 ●現在、第4級アマチュア無線技士の資格をお持ちの方は、JARD(一般財団法人日本アマチュア無線振興協会) または QCQ企画 その他が主催する養成課程講習会第3級短縮コースを受講して修了試験に合格する。 ●JARDが開催するeラーニングを受講し修了試験に合格する。 |
第2級アマチュア無線技士 |
アマチュア無線局の空中線電力200W以下の無線設備の操作 |
●(財)日本無線協会が年に3回(4月、8月、12月)開催している第2級アマチュア無線技士国家試験を受験し合格する。 ●JARD(一般財団法人日本アマチュア無線振興協会)が開催するeラーニングを受講し修了試験に合格する。 |
第1級アマチュア無線技士 |
アマチュア無線局の無線設備の操作 |
●(財)日本無線協会が年に3回(4月、8月、12月)開催している第1級アマチュア無線技士国家試験を受験し合格する。 |
陸上特殊無線技士免許の種類とその説明
資格の種類について
種別 |
操作範囲 |
一陸特 |
1. 陸上の無線局の空中線電力500W以下の多重無線設備(多重通信を行うことができる無線設備でテレビジョンとして使用するものを含む。)で30MHz以上の周波数の電波を使用するものの 技術操作 2. 前号に掲げる操作以外の操作で二陸特の操作の範囲に属するもの |
二陸特 |
1. 次に掲げる無線設備の 外部の転換装置で電波の質に影響を及ぼさないものの技術操作 イ 受信障害対策中継放送局及び特定市区町村放送局の無線設備 ロ 陸上の無線局の空中線電力10W以下の無線設備(多重無線設備を除く。)で1606.5kHzから4000kHzの周波数の電波を使用するもの ハ 陸上の無線局のレーダーでロに掲げるもの以外のもの ニ 陸上の無線局で人工衛星局の中継により無線通信を行うものの空中線電力50W以下の 多重無線設備 2. 三陸特の操作の範囲に属する操作 |
三陸特 |
陸上の無線局の無線設備(レーダー及び人工衛星局の中継により無線通信を行う無線局の多重無線設備を除く。)で次に掲げるものの外部の転換装置で電波の質に影響を及ぼさないものの技術操作 1. 空中線電力50W以下の無線設備で25010kHzから960MHzまでの周波数の電波を使用するもの 2. 空中線電力100W以下の無線設備で1215MHz以上の周波数の電波を使用するもの |
国内電信 |
陸上に開設する無線局(海岸局、海岸地球局、航空局及び航空地球局を除く。)の無線電信の国内通信のための 通信操作 |
資格の取得方法と試験料
ここでは、アマチュア無線従事者免許と陸上特殊無線技士免許の取得方法と取得にかかる費用について説明していきたいと思います。
アマチュア無線従事者免許
まず、アマチュア無線従事者免許ですが、この資格を得るには、「国家試験を受験する方法」と「養成課程講習会を受講する方法」の2つがあります。
しっかりと基礎知識を身につけ、試験に備えておかなければ簡単に合格できるものではないので注意が必要です。
取得方法の一つ目は、公益財団法人 日本無線協会が開催している「第4級アマチュア無線従事者免許国家試験」に合格する方法です。
二つ目は、一般財団法人日本アマチュア無線振興協会または、QCC企画といった団体が主催する講習会を受講したのち、修了試験に合格するといったものがあります。
試験にかかる費用は、試験手数料が(※4級の場合)4,950円です。
また、免許申請の際にも費用がかかり、申請書の用紙代170円、手数料2,100円とのことです。
一方の養成講座、講習会では、受講料は1〜2万円程度が目安となっているようですね。
ここからも分かる通り、勉強し国家資格を取得方がお得になっています。
しかし、その内容は法律関係など難しい事項が多いため、しっかりと講習会に参加することを強くお勧めいたします。
陸上特殊無線技士免許
続いて、陸上無線技士免許ですが、こちらもアマチュア無線従事者免許と同様、取得方法は二つあります。
一つ目は、公益財団法人 日本無線協会が開催している国家試験を受けて合格する方法です。
二つ目は、トライアロー株式会社、QCC企画などが開催している養成講座や講習会に参加、もしくはe-ラーニングを受講して修了試験に合格するといった方法です。
費用は、国家試験を受ける場合は6,480円、その他の団体が主催する養成講習の受講料は2〜2万5,000円程度が目安となります。
冒頭でもお伝えいたしましたが、将来ドローンを使ったビジネスに興味がある方や、ドローンを使用する仕事に従事したい方は「第4級アマチュア無線従事者免許」と併せて、取得しておいて損はないでしょう。
アマチュア無線従事者免許同様、こちらもしっかりと講習会に参加することを強くお勧めいたします。
最後に
いかがだったでしょうか。
今回は、ドローンに関連する国家資格である『アマチュア無線従事者免許』『陸上特殊無線技士免許』について紹介を行いました。
是非ともこのような情報をドローンを使用したキャリアアップに役立ててください。
これからも、ドローンに関するお役立ち情報を発信していきます。
2022年度から改正される法律で、ドローン免許の国家資格化が閣議決定いたしました。
それに合わせて、ドローン操縦スキルを磨きたいという方が増えています。
これからも、ドローンに関する最新情報や技術紹介を行なっていきますので、ぜひご覧いただければと思います。
それではまた次回の記事でお会いしましょう。