今回は、今最も注目されているテクノロジー分野である『ドローン事業』についてご紹介していきたいと思います。
まず、ドローンの歴史から紹介し、現在実際にあるドローンの事業領域、民間企業の市場レポートについて詳しくご紹介していきたいと思います。
Contents
そもそもドローンがビジネスに参入したのはいつ?
まず初めに、ドローンの歴史の説明をさせていただきます。
ドローンビジネスの誕生
日本においてドローンビジネスの流れが始まったのがいつなのか皆さんはご存知でしょうか。
今では主流なビジネスであるドローンですが、実はドローン事業が国内で起こるようになったのはそう遠い話ではありません。
日本国内において、ドローンビジネスが始まるきっかけになった出来事は、2010年のフランスParrot(パロット)社がホビー用ドローンの販売を開始したことです。
また、ドローンの世界シェアNo. 1の中国DJI(ディージェーアイ)社もParrot(パロット)社を追うように空撮用ドローンを販売しました。
それまではドローンというものは軍事用・産業用のドローンばかりで、一般消費者向けのホビー用・空撮用ドローンというのは製造販売されていなかったんですね。
この二代メーカーの参入と並行して、国内におけるドローン専業の企業が次々と発足し、日本のドローン市場は大きくなっていきました。
2015年にはドローンにポータブル性が求められるようになり、そこに「Mavic Pro」などの製品でバッチリと対応したDJI(ディージェーアイ)社が世界を牽引するようになったというわけなんです。
こうして、空撮などを目的としたホビー用ドローンなどから始まり、他の産業との親和性が非常に高かったドローンは非常に大きなマーケットに成長しました。
ドローン事業は現在でも参入される領域
最先端分野ということもあり、最初はベンチャーが多く存在しましたが、近年では日本大手の企業が『ドローン事業』に注目しています。
以下は、その例です。
ポイント
ソニーは9日、ドローン事業に参入すると発表した。2021年春にプロフェッショナル向けの製品を発売する。映像制作などエンターテインメント向けや産業向けの需要を見込む。ソニーは他社との共同出資会社を通じてドローンを展開しているが、自社単独では手がけていなかった。画像センサーなどグループの技術を活用して付加価値の高い製品展開を狙う。
※参考元:日経新聞『ソニー、ドローン事業に参入 21年春にプロ向け製品』2020年11月9日
ANAホールディングス物流ドローンをベンチャーと共同開発へ
エアロネクストは2020年5月20日、ANAホールディングスと物流ドローンの共同開発に向けた業務提携を締結したことを発表しました。
※参考元リンク
現在あるドローンの活動領域
ここでは、ドローンの活動領域について説明したいと思います。
今現在、ドローンは非常に様々な領域で活躍しているんですね。
以下はその一例です。
ドローンの活動領域
- 農林水産分野
- 土木・建設分野
- 点検分野
- 空撮分野
- スクール事業分野
- 搬送・物流分野
- 防犯監視分野
- 倉庫工場(屋内利用)
- 鉱業分野
- 計測・観測分野
- 保険(損害保険)分野
- エンタテインメント分野
- 通信分野
- 公共分野
- 運搬分野
この項目では、ドローンの活動領域の中でも非常にポピュラーなものをいくつかご紹介していきたいと思います。
点検事業
まずは、点検事業です。
公共インフラの壁やコンクリートなどを点検する際、赤外線カメラなどを搭載した特殊ドローンでその点検業務を行うというビジネスがあります。
従来のコンクリート等の劣化診断を行う際は、目視と打音調査が基本とされていました。
人間がハンマー等を使って高所で作業を行なっていたため、危険が伴ったり作業を行う前に足場を組む必要があったんですね。
しかし、診断にドローンを利用すると、作業者が危険に晒されることはなく、足場も不要なので短時間で作業を終わらせることができるのです。
ドローンを用いたやり方では、赤外線カメラを利用してコンクリート面の浮きを検出したり、空撮写真・映像の解析によって損傷部分を可視化することによって点検業務を行なっています。
農業事業
次に、農業事業です。
農地に撒く農薬・肥料をドローンに積載させ、半自動的に農地全体に撒布させるというドローンビジネスがあります。
従来のやり方では、広大な農地の場合は多くの時間・人員が必要となって費用が高くなるという問題点がありました。
しかし、この農薬・肥料散布の作業にドローンを利用することで、上空からの散布によって広大な農地でも短時間で作業を終わらせることができるようになったんですね。
加えて、必要最低限の人員で作業を行えるため、コストの低減にも繋がるのです。
農業の分野でのドローンの活用は、主に農薬散布です。また、近年は「精密農業」においてドローンを使った制御・管理も行われており、需要が高まりつつあります。
測量事業
続いて、測量事業です。
ドローン測量ビジネスとは、ドローンに搭載した特殊なカメラを用いて地形の3次元測量を行うものです。
従来、土地の測量は地上で人間が行っていたため、広大な測量範囲の場合は多くの時間と人員が必要でした。
セスナを用いた測量方法も存在はしていましたが、如何せん高額な費用がかかることが大きな課題となっていました。
しかし、ここでドローンを用いることによって上空から広範囲の測量を行うことができ、広大な測量範囲でも短時間で作業を終わらせることができるようになったんです。
この技術は、主に建設現場などで測量が必要になるときにドローンが活用されています。
最低限の人数でよいため初期費用を抑えながらも、収益性の高いドローンビジネスの一つです。
空撮事業
続いて、空撮事業です。
有名なドローンのお仕事である空撮ですが、ご存知の通りドローンにしか取れない角度・高さ・カメラワークでの撮影を行うものです。
測量と似たような形式ではありますが、光学カメラを搭載したドローンを操縦することで様々な角度から撮影が行えるようになりました。
その結果、従来の課題としてあった撮影にかかる高いコストが解消されました。
最近では、カメラの種類も多岐にわたっているため、最近ではテレビやPVWEB動画などでドローンの技術を生かした映像作品がよく見かけるようになりましたね。
スクール事業
最後に、スクール事業です。
ドローンスクール事業では、有資格者のインストラクターを雇って、ドローン操縦士(パイロット)を育てる事業です。
スクールカリキュラムではドローン関連の内容を多角的に指導します。
ドローン関連の内容という中にも大きく二つの項目があり、ドローン操縦に関連する法律等の知識を身に着けてもらうための座学とドローンの機体を正しく安全に操作する方法を教える実技とがあります。
また、ドローンを使った空撮や測量、点検など特殊なカメラなどの操作方法を教えたり、取得するデータを解析するためのソフトウェアの使用方法、はたまた申請書の書き方など、ドローンのに関係する全ての指導を行います。
注目のドローン市場分析
ここでは、ドローンの市場分析についてお話ししていきたいと思います。
市場レポート
まずは、市場レポートです。
インプレス総合研究所のレポートによると、ドローン市場は2025年度までに6468億円(2020年度の3.5倍)に達すると見込まれているようです。(※参考元:インプレス総合研究所レポート)
このインプレス総合研究所のレポートは、ドローンに関する市場動向や他のビジネス動向などを踏まえ、多角的に分析されたものになっています。
こうしたドローン市場の拡大を踏まえて、上記でみたような国内企業のドローン事業参入増加がありました。
また、政府もその手助けをするようになり、ドローン事業をメインとした官民一体体制の経済規模拡大を図っています。
ドローン市場拡大の背景
ドローン市場が近年拡大している大きな要因として、2022年度からのドローン免許国家資格化があります。
2015年の11月には、安倍前首相が「ドローンを使用した荷物配送を可能とする社会を目指す」というように述べました。
その後、今後のドローン事業展開を記した「小型無人機の利活用と技術開発のロードマップ」というドローン事業の展開を国全体で行っていくものが発表されたんですね。
この、小型無人機の利活用と技術開発のロードマップこそ、日本におけるドローンの活用展望、法整備の根幹にあたる全てのストラテジーです。
ドローン事業を発展させた果てに目指しているのは『ドローンを使った物流社会』の実現です。
我々が利用する宅配や高齢化社会に欠かせない医療配送、ドローンを利用した災害対策にシナジーがあるドローンテクノロジーを発達させ、『ドローンを使った物流社会』を目指しています。
最後に
いかがだったでしょうか。
今回は、現在最も注目されているテクノロジー分野である『ドローン事業』について、その歴史、事業領域、市場レポートなど多角的にお伝えいたしました。
ドローン操縦士(パイロット)の需要は急速に高まっており、将来性は大いに期待できると言えるでしょう。
これからも、ドローンに関する最新情報や技術紹介を行なっていきますのでぜひご覧いただければと思います。
それではまた次回の記事でお会いしましょう。