皆様
こんにちは!
空から見る世界をこよなく愛するドローンパイロット(操縦士)のドロ助でございます。
愛機ドローンの相棒のD-3POと共に皆様にもっとドローンや今後ドローンを使って何ができるかなどを皆さんにもっと知ってもらいたくて日々様々なドローンにまつわることを記事にさせて頂いています。
本日はドローンパイロット(操縦士)が行う仕事の中でも特にスキルが必要かつ、高単価の仕事であるドローンによる外壁調査について概要を書かせて頂こうと思います。


Contents
そもそも外壁調査とは?なんで必要なの?
外壁調査とは?
外壁調査とは、『建物の劣化診断における一部の調査』のことを指しています。
当たり前のことですが、外壁というものも自然物なので、日光や雨、風などの気候状況や環境による風化によって次第に劣化していくんです。
つまり、「外壁の風化具合や劣化の度合いが現状どの程度であるか」というのを定期的に調べるのが、外壁調査ということになります。
また、具体的な外壁トラブルにはいくつか種類があります。
例としては、壁面のひび割れ、外壁表面に白い粉のようなものが浮き出る白華現象、表面のタイルの浮きなどが挙げられます。
外壁調査は、それらの劣化現象が発生していないか、発生していればどの程度修繕が必要か判断することを目的としていて、後ほど説明する『打診調査や赤外線調査』といった方法で調べていきます。
この外壁調査なのですが、実は法律でも定められています。
平成20年に定められた建築基準法によると、竣工後もしくは外壁改修等から10年が経過した時点で、必ず行われなければいけないことになっています。
詳しくは各都道府県の条例にてしていがあるので、気になる方はチェックしてみてください!


外壁調査の重要性は?
外壁の全面打診調査の義務化は、平成20年の建築基準法改正によって施行されたこともあって、なんとなく重要そうなのは分かるけど、いまいち理解出来ていない人もいるかもしれません。

具体的になぜ外壁調査を実施・報告することが重要であるのかについて今から説明させていただきます!
結論、外壁調査の実施・報告が重要な理由は、建物劣化を要因とする事故の未然予防につながるからなんです。
外壁調査の調査報告の指摘事項や注意点に従って適切な維持管理や修繕を実施することで、それらに関する事故を未然に防ぐことが可能になります。
仮に事故が発生してしまった場合、外壁調査の実施結果とその報告書は重要な資料となり、その後の対処方法における検討材料になります。
欠陥箇所に対して適切に対処することによって、良い維持管理が可能となり将来的な修繕コストを抑えることに寄与します。
以上のことから分かるように、外壁調査というのは建物管理者にとって、その建物の安心・安全を支える大きなメリットとなるんです。
外壁調査の一般的な方法〜2種〜
打診調査
1つ目の打診調査とは、専用の道具を用いて、『壁を叩いてその音を聴くことで状況を調査する方法』を指します。
道具で壁を叩くと、叩いた箇所によってさまざまな音質を聴き取れ、その音の高低などの打撃音の変化により、壁が浮いている箇所や壁の内部に損傷が発生している場所を発見できるといった流れになっています。
打診調査を行う際には、調査員による目視による確認や触診も並行して実施されるため、腕前次第ではあるものの非常に的確に外壁の状況を確かめることも可能です。
ただし、人力という点において調査員の技量に調査の精度が左右されるというデメリットもあるんですね、

赤外線調査
一方2つ目の赤外線調査とは、『赤外線画像を認識できるカメラによってサーモグラフィーで撮影を行い、技術者や解析ソフトによる画像解析で非破壊検査を行う方法』です。
メリットとしては、足場を組んで作業を行う必要がない点が挙げられ、そのおかげで安全性が高く、低コスト、そして短時間で調査が済むんです。
しかし同時にデメリットも存在しており、それは一般的に赤外線調査が地上から撮影する調査であることに由来します。
地上からの検査になると高層部分の精度が落ちることから、打診調査と併用する必要があるという点で、楽な部分もある一方、高層部への追加調査がネックとなってしまうんですね。
また、天候にも左右されることがあります。
例えば、外壁が乾いていなければ調査できないなど、赤外線調査が可能となるためにはいくつかの条件が伴ってくるのです。
上記2つの方法が主流ですが、これらの調査方法以外にもそれぞれメリットとデメリットがあるため、いくつかの調査方法を組み合わせることも一般的となっているのが現状。
そのため、時間とコスト、安全性というところの均衡点を探すのが難しい調査になってしまっているんですね。


時代はドローンによる外壁調査に!?
相棒のD-3POが伝えてくれた通り、近年では外壁調査における赤外線調査を行う際に、ドローンを活用する方法が普及しつつあります。
結論、ドローンを用いた外壁調査は安くて早くて安全と三拍子揃っていることが魅力なのですが、ドローンならではの必要条件もあるんです。
早速、外壁調査にドローンを活用するメリットやデメリットについてご紹介するので一緒にみていきましょう!
ドローン調査のメリット
- 調査コストを抑えられる足場を組む必要がない。
- 高所作業車を調達する必要がないためその分のコストを抑えることができる。
- 短期間で調査できるドローンを使用するので作業が非常にスピーディ。
- ドローンに搭載するのは、品質の高い調査が可能高解像度なので、精度の高いデータを取得することができる。
- テクノロジーとベテラン調査員を掛け合わせることで、外壁のひび割れや膨れなどのほか、雨漏りの原因まで特定できるなど高品質な調査が可能。
- 調査員が高所で作業する必要がなくなるため、安全面でのリスクが減る。
ドローン調査のデメリット
- 悪天候の日があるとスケジュールが後ろ倒しにせざるを得なくなる。
- 赤外線カメラでの撮影を行う都合上、外壁が乾いていなければ調査できない。
- 強風時には調査が出来ない。
- ドローンを飛ばせられないくらい隣接する建物との間が狭い場合に操縦できない。
- 国の重要施設など、航空法他、条例違反地帯周辺ではドローンを使用出来ない。


ドローンによる外壁調査と一般の外壁調査との比較
価格
上の表からも分かる通り、最も高価格になるのは、「足場を設置しての打診調査」です。
一般的に壁面調査の業務においては、安全面などに危険が伴う作業を依頼する場合に価格がどうしても上がってしまいます。
例えば、高所での作業を人力で行う場合、盤石な足場の設置コストなどが追加でかかってしまうためです。
価格帯の安い順で行くと、一番コストを抑えられるのが「ドローンを使った赤外線調査」「地上からの赤外線調査」、次にコストを押さえられるのが「ロープによる打診調査」、一番コストがかかってしまうのが「ゴンドラ(作業車)による打診調査」となっていることが分かりますよね。
精度
「足場を組んでの打診調査」「ゴンドラによる打診調査」「ロープによる打診調査」は、すべて打診調査になるため、調査員の質が一定だと仮定するならば、クオリティに変化はありません。
加えて、先ほどの項目で説明した通りなのですが、「地上からの赤外線調査」は、地上から撮影し調査するため、高層部分の精度にも限界があり、カメラの制度によっても制度が落ちてしまうというボトルネックがあります。
一方で、同じ赤外線調査でも、「ドローンを使った赤外線調査」では、足場を組まずとも常に壁面にそった撮影ができるため、高い精度での調査が継続的に可能です。
期間
早期の調査が可能となるのは、「ドローンを使った赤外線調査」で、基本的に所要日数は1日で調査が可能です。
次いで同じように「地上からの赤外線調査」も、建物の規模にあわせ、1日から数日で調査ができます。
一方、「ロープによる打診調査」や「ゴンドラによる打診調査」では、現場周辺への配慮も合わせると最短でも数日が調査にかかってしまうことになります。
さらに、「足場を組んでの打診調査」では、足場を組む時間と片付ける時間がかかってしまい、最短でも数週間、なかには数か月を要する場合もあります。
まとめ
いかがだったでしょうか?
今回は壁面調査に関する情報をはじめ、ドローンによる壁面調査と他の調査方法、各メリットとデメリットなどをご紹介させていただきました。
新しい革新的技術であるドローンの使用は、天候や一部のルールには影響されるものの、従来のものと比較しても圧倒的に『①価格②制度③期間』において、優位性があることがわかったと思います。
是非このデータを参考にし、建物検査を検討してみてください!