ドローンパイロット(操縦士)の仕事

社会インフラの老朽化問題の解決策はドローン!?ドローン使った『外壁調査』を徹底解説!

今回は、ドローンの外壁調査についてお話ししていきたいと思います。

まず初めに従来の外壁調査についての概要・必要性ついて説明し、ドローンによる外壁調査、メリット・デメリット、通常の外壁調査との比較の順でお話ししていきたいと思います。

 

Contents

外壁調査とは

まず初めに、外壁調査の概要・重要性についてお話ししていきたいと思います。

 

外壁調査とは

外壁調査とは、『建物の劣化診断における一部の調査』のことを指しています。

外壁調査とは、建物の外壁の風化具合や劣化の度合いを調べる作業です。

建物の壁は日光や雨、風などの気候状況や環境による風化によって次第に劣化していくので、劣化がどの程度であるかを調べることが必要なんですね。

経年劣化や災害による風化の例としては、壁面のひび割れ、外壁表面に白い粉のようなものが浮き出る白華現象、表面のタイルの浮きなどが挙げられます。

実は、この外壁調査は法律でも定められています。

建築基準法

建築基準法第十二条によると、竣工後もしくは外壁改修等から10年が経過した時点で、必ず行われなければいけない。

詳しくは、各都道府県の条例にのっとりますので、確認してみるといいでしょう。

 

外壁調査の方法

外壁調査

ここでは、外壁調査の方法についてお話ししていきたいと思います。

外壁調査には大きく二つあり、打診調査と言われるもの、そして赤外線調査と言われるものがあります。

 

打診調査

1つ目の打診調査とは、専用の道具を用いて、『壁を叩いてその音を聴くことで状況を調査する方法』を指します。

道具で壁を叩くと、叩いた箇所によってさまざまな音質を聴き取れ、その音の高低などの打撃音の変化により、壁が浮いている箇所や壁の内部に損傷が発生している場所を発見できるといった流れになっています。

打診調査を行う際には、調査員による目視による確認や触診も並行して実施されるため、腕前次第ではあるものの非常に的確に外壁の状況を確かめることも可能です。

ただし、人力という点において調査員の技量に調査の精度が左右されるというデメリットもあるんですね、

 

赤外線調査

一方2つ目の赤外線調査とは、『赤外線画像を認識できるカメラによってサーモグラフィーで撮影を行い、技術者や解析ソフトによる画像解析で非破壊検査を行う方法』です。

メリットとしては、足場を組んで作業を行う必要がない点が挙げられ、そのおかげで安全性が高く、低コスト、そして短時間で調査が済むんです。

しかし同時にデメリットも存在しており、それは一般的に赤外線調査が地上から撮影する調査であることに由来します。

地上からの検査になると高層部分の精度が落ちることから、打診調査と併用する必要があります。

そのため、高層階のある建物の赤外線調査を行う際は、二度手間になってしまうというデメリットがあるんですね。

加えて、天候にも左右されることがあります。

例えば、外壁が乾いていなければ調査できないなど、赤外線調査が可能となるためにはいくつかの条件が伴ってくるんですね。

 

ドローンによる外壁調査

この項目では、今回のメインテーマであるドローンによる外壁調査についてお話ししていきたいと思います。

先ほど説明した外壁調査をドローンを用いて行うというものです。

具体的な方法としては、ドローンに高画質な撮影ができるカメラ、赤外線カメラを積載させ、撮影を通して診断するというものです。

近年、安くて早くて安全と三拍子揃っているドローン外壁調査が普及しつつあります。

以下では、そんなドローン外壁調査のメリットやデメリットについてご紹介するので一緒にみていきましょう。

 

ドローン外壁調査のメリット・デメリット

まずは、メリットです。

ドローン外壁調査のメリットとしては、以下の6つのポイントが挙げられます。

メリット

  1. 調査コストを抑えられる足場を組む必要がない。
  2. 高所作業車を調達する必要がないためその分のコストを抑えることができる。
  3. 短期間で調査できるドローンを使用するので作業が非常にスピーディ。
  4. ドローンに搭載するのは、品質の高い調査が可能高解像度なので、精度の高いデータを取得することができる。
  5. テクノロジーとベテラン調査員を掛け合わせることで、外壁のひび割れや膨れなどのほか、雨漏りの原因まで特定できるなど高品質な調査が可能。
  6. 調査員が高所で作業する必要がなくなるため、安全面でのリスクが減る。

 

続いて、デメリットです。

ドローン外壁調査のデメリットは以下の5つの点があげられます。

デメリット

  1. 悪天候の日があるとスケジュールが後ろ倒しにせざるを得なくなる。
  2. 赤外線カメラでの撮影を行う都合上、外壁が乾いていなければ調査できない。
  3. 強風時には調査が出来ない。
  4. ドローンを飛ばせられないくらい隣接する建物との間が狭い場合に操縦できない。
  5. 国の重要施設など、航空法他、条例違反地帯周辺ではドローンを使用出来ない。

上記のことから分かるように、ドローンによる外壁調査は「価格、時間、安全性」において非常に優れている一方で、通常の外壁調査と同様に天候に左右されたり、一部法規制が関わってくる場合もあるんですね。

 

ドローン外壁調査と一般の外壁調査との比較

※参考:ALSOKドローン外壁調査ウェブサイトより

ここでは、ドローン外壁調査と一般の外壁調査との比較を行いたいと思います。

上記の表を参考に「価格・精度・期間」といった要素をそれぞれ説明していきたいと思います。

 

価格

上の表からも分かる通り、最も高価格になるのは、「足場を設置しての打診調査」です。

一般的に壁面調査の業務においては、安全面などに危険が伴う作業を依頼する場合に価格がどうしても上がってしまいます。

例えば、高所での作業を人力で行う場合、盤石な足場の設置コストなどが追加でかかってしまうためです。

価格帯の安い順で行くと、一番コストを抑えられるのが「ドローンを使った赤外線調査」「地上からの赤外線調査」、次にコストを押さえられるのが「ロープによる打診調査」、一番コストがかかってしまうのが「ゴンドラ(作業車)による打診調査」となっていることが分かりますよね。

 

精度

「足場を組んでの打診調査」「ゴンドラによる打診調査」「ロープによる打診調査」は、すべて打診調査になるため、調査員の質が一定だと仮定するならば、クオリティに変化はありません。

加えて、先ほどの項目で説明した通りなのですが、「地上からの赤外線調査」は、地上から撮影し調査するため、高層部分の精度にも限界があり、カメラの制度によっても制度が落ちてしまうというボトルネックがあります。

一方で、同じ赤外線調査でも、「ドローンを使った赤外線調査」では、足場を組まずとも常に壁面にそった撮影ができるため、高い精度での調査が継続的に可能です。

 

期間

早期の調査が可能となるのは、「ドローンを使った赤外線調査」で、基本的に所要日数は1日で調査が可能です。

次いで同じように「地上からの赤外線調査」も、建物の規模にあわせ、1日から数日で調査ができます。

一方、「ロープによる打診調査」や「ゴンドラによる打診調査」では、現場周辺への配慮も合わせると最短でも数日が調査にかかってしまうことになります。

さらに、「足場を組んでの打診調査」では、足場を組む時間と片付ける時間がかかってしまい、最短でも数週間、なかには数か月を要する場合もあります。

 

まとめ

いかがだったでしょうか。

今回は壁面調査に関する情報をはじめ、ドローンによる壁面調査と他の調査方法、各メリットとデメリットなどをご紹介させていただきました。

新しい革新的技術であるドローンの使用は、天候や一部のルールには影響されるものの、従来のものと比較しても圧倒的に『①価格②制度③期間』において、優位性があることがわかったと思います。

これからも、ドローンに関するお役立ち記事を配信いたしますので、ぜひご覧いただければと思います。

それではまた次回の記事でお会いしましょう。

おわりに

「職業」としてのドローンパイロットの今後とドローンマーケットを研究している私がドローンスクールを

  • 受講形式
  • アフターサポート
  • 認定資格
  • 費用

という観点からおすすめ順にランキング形式で纏めました。

参考になると思いますので、是非ご覧いただければと思います。

 

 

-ドローンパイロット(操縦士)の仕事

© 2023 ドロシル