今回は、海外におけるドローンの機体登録・免許制度についてご紹介致します。
2022年から日本でも導入予定であるこの二つの制度を、先駆けている海外の情報を参考にして理解していけたらと思います。
Contents
海外でのドローン機体登録制度について
まず初めに、海外におけるドローンの機体登録制度についてお話ししていきます。
まずそもそも機体登録とは、なんなのでしょうか。
機体登録制度とは簡単に申し上げると自転車や自動車のように、ドローンの機体情報と持ち主の個人情報の登録をすることで、確実に免許保持者の操縦を促す制度のことです。
所有しているドローンが誰のドローンか管理することで、防犯とう様々なメリットがあり、日本においては2022年度から導入予定とされています。
では、各国の詳しい機体登録制度を順に説明していきたいと思います。
アメリカ
まず初めにアメリカです。
ドローンに関わらず、ほとんど全ての科学技術の最先端を兼ね備えるアメリカでは、ドローンの商業利用を目的に法整備が進められています。
機体登録制度の始まりは2015年とされており、『250g〜25kgの機体を操縦する「13歳以上のホビー利用者」及び「16歳以上の商用利用者」』という登録における要項も挙げられています。
他の国でもそうですが、オンラインでの申請が可能で費用は現在の日本円で550円ほどです。
また、IDを発行するとシールのようなものが配布され、機体に貼り付けることができるものになっています。
有効期間は一回の手続きで3年とのこと。
中国
次に中国の機体登録制度についてです。
みなさんご存知DJI(ディージェーアイ)発祥の国であり、ホビー用産業用共に世界的シェアを誇る中国では、『250g以上の機体を対象に登録義務』とされています。
この機体登録制度は2017年の6月1日から義務化されたようですね。
機体登録自体はオンラインで完結できるようで、口コミ等を調べましたが費用はかからないようです。
カナダ
※公式HPより
三つ目にカナダです。
大自然を有するこの国では、その自然をターゲットにドローン空撮をする人が急増しました。
そんな中、カナダ国内で航空機とドローンとの接触事故が発生してしまい、他国より厳格な規制がかけられることになりました。
そうした背景を踏まえて、2017年にホビー用ドローンの機体登録がなされ、2019年にはより厳格に規則が制定されました。
それは『いかなる用途の機体でも250g〜25kgまでの機体を登録する義務があること。25kgを超える機体に関しては特別な運行証明書が必要』というものです。
登録申請方法に関してはアメリカに似ていて、費用は450円ほどでオンラインでできるようです。
ユーロ圏
最後に、EUことユーロ圏です。
フランスを筆頭にドローン機体製造に定評がある国が多いユーロ圏では2017年に制定が宣言されたドローンの扱いに関する規制が2019年に取り決まられました。
この制度を制定する大きな狙いとしては、150m以下の低高度飛行空域である「U-Space」の導入があります。
制限対象としては、『250g以上の機体に対しての登録義務』のようです。
ドローンと他の航空機の接触を避けることなど、様々なリスクヘッジとして活用されるこの「U-Space」をユーロ圏で共通認識にすることで安全を確保する取り組みのようですね。
海外のドローンの免許制と規制
続いて、海外におけるドローンの免許制についてご紹介していきます。
登録制度と同様に、各国における免許制度について順に見ていきましょう。
アメリカ
まずはアメリカです。
日本でも本来、免許の取得が絶対ではないものではありますが、アメリカではホビー用ドローンも産業用ドローンも免許制度があるようです。
車のライセンスと似たような感じで、ホビー用ドローンライセンスでは16歳以上の年齢制限があり、また資格取得までに筆記試験があります。
産業用ドローンの操縦に関しても同様に、16歳以上の年齢制限があります。
しかし、大きく異なる点としては、2年おきに米国運輸保安局(TSA)が実施する航空学試験と身元調査という審査は入るということです。
テロの手段ともなりうるドローンに関して、厳密な規制があるようですね。
中国
続いて中国では、ドローンの機体を様々な用途別に分類し、種類に合わせた資格
1~7まである分類のうち、6以上のかなり大きなドローンに関して、操縦免許の義務が発生します。
また、1と2に分類される比較的小さなドローンに関しては、免許が不要とのことです。
カナダ
続いてカナダですが、カナダは今回紹介する中でも一番厳しい規則が設けられており、ドローンのパイロットライセンスの取得が義務付けられています。
意外にも年齢制限に関しては14歳以上とアメリカとは異なっていますが、14歳以上のパイロット志願者は必ず試験を受ける必要があり、6割強の正答率で資格取得の権利を得ます。
以下はアメリカと似ていますが、カナダでも2年ごとの再試験や講習があるようです。
ユーロ圏
最後にユーロ圏に関してですが、結論ヨーロッパ全体においてドローンに関する免許制度は導入されてはいません。
一部、フランスでは『目視外でドローンを操縦するパイロット』を対象に免許の取得が要求されるだけです。
この、免許に関しては研修と試験によって取得することができます。
現在の日本におけるドローン制度
最後に、日本の現状についてお話しいたします。
ここまで海外のドローン規制について見ていきましたが、機体登録や免許制など法整備が進められている国が多く見られますよね。
登録制の実現
まずは海外における登録制を導入するべく、2022年を目処に航空法の改正案がなされ登録制が実現する予定です。
詳しい要素としては、航空法が規制対象とする200g以上の機体を対象に個人情報(氏名や住所、機体の種類)を国土交通省へ申請することで他国と同様ID
が配布されます。
そして、配布したIDに関しては、機体に貼り付けられるシール状のものになる予定とのこと。
カナダでは罰金と噂されている無登録機の操縦に関しても、罰が科されるようですね。
免許制度
続いて免許制度に関してですが、ドローンを操縦する際のレベル分けの3と4に従って大きく二種類の免許が制定予定です。
導入される予定の免許は以下の通りです。
- 第三者のいる上空を飛ばせる1等資格
- 第三者のいる上空以外の地域を飛ばせる2等資格
それぞれ説明すると、一等資格は「第三者上空飛行に対応」というもので、簡単にいうと人のいる上空を遠隔操作することを可能にする資格です。
この資格のメリットとしては、皆さんが利用するネットショッピングで購入した商品が、自宅に配送される際に街中を飛んで来れるようにするといったことが可能になるところです。
2つ目の二等資格は、これまでのレベル3での飛行操縦を許すもので、初心者のためのエントリータイプと見て良いでしょう。
現状、JUIDA(ジュイダ)やDPA(ディーパ)などの民間団体による資格の交付ではなく、国家資格として制定されることでドライブライセンス級の重要ライセンスになることが予想されています。
最後に
いかがだったでしょうか。
今回は、海外におけるドローンの機体登録制度や免許制度、その他の規制に関してご説明いたしました。
もし仮に、海外でドローンを操縦しようと考えた際は必ずその国の規則・ルールを確認する必要があります。
車の免許同様、許可・もしくは申請、試験をパスして合法な扱いを心がけましょう。
また、海外の規則に合わせてドローンを愛するパイロットの皆様は、日本のこれからの免許制や機体登録制度に関してしっかり動向をチェックしましょう。
これからも、最新情報をもとに皆様にわかりやすく記事配信を行っていきますので是非ご覧ください。
それではまた次の記事でお会いしましょう。