今回は、ドローンの活用が予定されている「TOKYO2020 5Gプロジェクト」についてご紹介したいと思います。
まず、その概要からお伝えし、TOKYO2020 5Gプロジェクトを導入予定の競技、これからの観戦の在り方、についてご紹介させていただきます。
Contents
「TOKYO2020 5Gプロジェクト」
まず初めに、「TOKYO2020 5Gプロジェクト」についてお伝えしたいと思います。
「TOKYO2020 5Gプロジェクト」とは、今度の東京オリンピック開催で予定されている5Gテクノロジーを利用した新しいスポーツ観戦を提供するプロジェクトです。
新型コロナウイルスによって直での観戦が困難な今、5Gの高速大容量性を生かした超高解像度映像および同時多地点映像のライブストリーミングと、AR(拡張現実)観戦体験を生かして、遠方の地でも臨場感を持って楽しめる様にする取り組みです。
この取り組みの宣言自体は、オリンピック公式HPで、7月1日に発表されたもので、詳しくは以下の通りです。
『東京2020大会をイノベーティブなスポーツ観戦体験のショーケースに 3会場で「TOKYO 2020 5G PROJECT」実施』
公益財団法人東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会(東京2020組織委員会)は、東京2020大会を新たなスポーツ観戦体験のショーケースとすべく、インテル コーポレーション、日本電信電話株式会社(NTT)、株式会社NTTドコモと協力し、3つの競技会場において、5Gテクノロジーを生かした「TOKYO 2020 5G PROJECT」を実施します。同取り組みは、5Gテクノロジーを利用した新しいスポーツ観戦体験を、対象となる会場に訪れた観客あるいは大会関係者に向けて提供。5Gの高速大容量性を生かした超高解像度映像および同時多地点映像のライブストリーミング、さらには、低遅延性を生かしたAR(拡張現実)観戦体験の提供など、東京2020大会を画期的な手法で楽しめる3つの企画を実施予定です。
※公式HPより
導入予定の競技
次に、「TOKYO2020 5Gプロジェクト」を導入予定の三つの競技についてお話ししていきたいと思います。
導入が予定されている競技は3つで、順に「セーリング」「水泳」「ゴルフ」です。
細かな導入方法については、下記で説明していきたいと思います。
セーリング
まず「セーリング」です。
セーリングとは海面上の決められたコースを進む速さを競うスポーツです。
セーリングとは
海面で実施され、自然環境によって大きく試合展開を左右される競技の一つ。レースは、海面に設置されたマークと呼ばれるブイを決められた回数、決められた順序で回りながら、フィニッシュラインまでの着順を競うものです。種目は使用する艇(ヨット)の種類によって分けられ、どの種目もフィニッシュの順位の高いチームほど低い点数がつきます。このレースを10〜12回行い、その合計点数の低い10艇が「メダルレース」と呼ばれる最終レースを戦うことができます。このメダルレースで最終順位とメダリストが決まります。
※オリンピック公式HPより
そんなセーリング競技は、会場で行われるため、オーディエンスは遠方から双眼鏡を用いて観戦する他ありませんでした。
しかし今回、「複数の4Kカメラを搭載したドローン」、「海上のカメラ基地を駆使した、競技のすぐ近くから4K撮影」そして「洋上の全長50mのワイドビジョンで表示」をすることで、競技の臨場感をそのまま実現できるそうです。
さらにその映像は、江ノ島の海上から他の観戦会場にも送られ、リモートながらも緊張感が伝わるライブビューイングを行うとのこと。
以下、詳しい競技内容です。
セーリング競技 詳細
実施予定日:2021年7月25日(日)~8月4日(水)
提供エリア:セーリング会場競技観客席
これまで、防波堤から双眼鏡を使って観戦していたセーリング競技について、5Gの力により、あたかもクルーズ船の特等席からレースを観戦しているような、リアルを超える革新的な観戦スタイルを競技会場に来場した観客の皆さまに提供します。
超高臨場感通信技術により、セーリング競技会場内に50m級のワイドビジョンを海上に浮かべ、横12K解像度の超ワイド映像をライブ通信することにより、観客は競技があたかも目の前で行われているかのような超高臨場な体験ができます。
また、江ノ島会場から離れた、東京ビックサイト(メインプレスセンター)にも同様の映像が伝送され、世界中から訪れたメディア関係者にも、現地に近い臨場感と一体感を届けます。
※公式HPより
水泳
次に「水泳」です。
水泳とはみなさんご存知の通り、プールにおける片道、もしくは往復以上の距離を決められた泳ぎ方によって泳ぎ、そのタイムを競う競技です。
現在でも、テレビを見ていると、各選手のレーンに選手の名前や出身国の国旗が表示され、ワールドレコードの線がリアルタイムに表示されています。
しかし、これが会場になるとこうした競技をより楽しむための情報がわかりづらくなってしまうので、5GやARといった技術を用い、解決していくようです。
水泳競技 詳細
実施予定日:2021年7月25日(日)~7月27日(火)、8月27日(金)~8月29日(日)
提供エリア:競泳会場一部関係者席
5Gの低遅延性を生かし、装着するARデバイスにリアルタイムに競技データを配信します。会場で競技観戦者がARデバイスを装着すると、目の前で行われている競技に重なるように、選手紹介やタイムなどの競技データが表示されます。従来では、通信の遅延により実現できなかった100分の1秒を競う競技データを、5Gを活用することでリアルタイムに表示できるようにし、会場の興奮を五感で感じながらも、より詳しい競技の情報を取得し競技を楽しむ新しい水泳の観戦スタイルを提供します。
※公式HPより
ゴルフ
三つ目はゴルフです。
ゴルフも有名な競技ですが、オリンピックでは「競技は1ラウンド18ホールで構成され、選手は4日間で4ラウンド72ホールをプレーし、合計の打数が少ない順に上位となるようです。(※日本オリンピック委員会HPより)
テレビでもよく放送されているゴルフでは、おおよそ打順が回ってきた選手とボールにフォーカスして映像がとられます。
しかし今回の5Gプロジェクトでは、5Gの高速大容量と低遅延性を生かして、遠方の場所で行われている複数の競技映像を簡単に視聴できる様にするそうです。
ゴルフ競技 詳細
実施予定日:2021年7月31日(土)~8月1日(日)、8月6日(金)~8月7日(土)
提供エリア:ゴルフ会場ファンゾーン
5Gの高速大容量と低遅延性を生かし、離れた場所で行われている複数の競技映像を、手元のデバイスでユーザーが選択して楽しむことを可能にします。ゴルフ場での観戦は、競技の定点観測や好きな選手を追いかけるなど、観客それぞれの観戦スタイルがあります。本プロジェクトでは、他ホールでの複数の競技映像や参加選手のスコアなどの細かい競技データといった大容量データを5Gで伝送することで、会場での競技観戦者が手元のデバイスでリアルタイムに自由に画面を選択しながら楽しむことができます。
※公式HPより
これからのライブ観戦の有様
続いて、これからのライブ観戦への提言をして終わりたいと思います。
今回ご紹介した内容からもいえる通り、今時代の潮流は、離れた場所でも臨場感を持ってコンテンツを楽しめることにあります。
新型コロナウイルスの世界的蔓延がこの科学技術に拍車をかけた様に、世界的に公式な式典であるオリンピックでもこうした技術の導入が進められていることがわかります。
確かに、現場でしか伝わらない迫力もありますが、その壁がうすくなりつつあるということ、将来のスポーツ観戦がリアルもオンラインでも迫力と臨場感のあるライブ体験ができることに期待できます。
「TOKYO2020 5G PROJECT」がその先駆けの一つとなり、今後のより良い発展に貢献できることにも期待していきましょう。
最後に
いかがだったでっしょうか。
今回は、開催が目前に控えられた東京オリンピックにおけるプロジェクト「TOKYO2020 5G PROJECT」についてご紹介致しました。
ドローンをはじめ、最先端の科学技術は人類の至宝であるエンターテイメントのニューノーマルも支えうるポテンシャルがあることが十分に理解できたのではないでしょうか。
これからも、ドローンという側面から、世の中における様々な事象に触れたいと思いますので、ぜひ記事をご覧いただければと思います。
それではまた次の記事でお会いしましょう。