今回は、『宇宙ドローン』についてお話ししていきたいと思います。
まず初めに、ドローンとは何かについてお話しし、続いてドローンの種類、宇宙ドローンとはの順に詳しく解説していきたいと思います。
Contents
ドローンとは
まず初めにドローンとは何かについてお話ししていきたいと思います。
ドローンとは
無人飛行機のこと。一般に地上からの遠隔操縦によって飛行するが、機上のコンピューターの判断で自律飛行が可能なものもある。攻撃や偵察などの軍事目的で開発・利用が始まり、農薬散布や航空撮影などの商用利用へと用途が拡大した。それに伴い、大型機から小型機まで大きさや重量、形状は多様化している。近年では配送や通信、警備といった分野への導入も検討されており、米国の大手IT企業が相次いで実用化に向けた計画を明らかにしている。2014年にはソニーが実用化に向けた開発に乗り出したと報じられ、日本でも注目を集めた。
※朝日出版より
上記からも分かる通り、ドローンとは、無人で遠隔操作や自動制御によって飛行できる航空機の総称を指しています。
最近では、自宅で簡単に遊ぶことができるトイドローンと呼ばれるおもちゃのようなドローンから、農業や災害源部などで活躍する産業用のドローンまで幅広く存在しています。
また、ドローンを使用した空撮も人気で、そうした趣味でドローンを活用する人が、撮影した映像や画像をYouTubeやSNSにアップするなど、趣味としても活用されています。
ドローンの種類
ここでは、ドローンの種類についてお話ししていきたいと思います。
前の項目でもお伝えしたように、ドローンには様々な種類があります。
以下はその一例です。
ドローンの種類
- トイドローン(ホビー用ドローン)
- ドローン(空撮用)
- 産業用ドローン
- 軍事用ドローン
- 水中ドローン
これらのドローンについて順に見ていきましょう。
トイドローン(ホビー用ドローン)
まずはトイドローン(ホビー用ドローン)です。
トイドローンとは、200g以下の小型ドローンのことを指します。
気軽に操縦や空撮を楽しめるものとして、値段も非常に手ごろなものになっていることが多いです。
簡単にホバリングできるタイプや自動追尾するモデルなら、初心者でも簡単に自撮りを楽しめるので、遊び感覚で始められるものになっています。
ドローン(空撮用)
続いて、通常のドローンです。
多くの場合空撮用ドローンのことを指します。
空撮用ドローンとは、200g以上のドローンで高性能カメラなどを搭載したタイプのドローンのことを指します。
遠くから広大な景色を撮りたいときや、追尾機能を使用しスポーツを行なっているシーンなどの撮影に最適なモデルになっています。
200gを超えるドローンを飛行させる際には航空法が適用されるので、事前に国土交通省の許可や飛行ルールなどを確認する必要があるのでご注意下さい。
産業用ドローン
続いて、産業用ドローンです。
農業や建設業、災害救助事業などの分野で活用されるのが「産業用ドローン」になります。
空から農薬を散布したり、人が侵入できない場所を撮影したり、点検作業や測量目的で使用されています。
その用途に合わせて特殊なカメラなどの機材を積載していることが大きな特徴と言えます。
レーシングドローン
続いて、レーシングドローンです。
レーシングドローンとは、高速度でドローンを操縦し一定のコースを飛行させる競技『ドローンレース』に使用されるドローンのことです。
ドローンレースにおけるドローンの最高時速は時速100キロと言われるほど早くスピード感とスリル満載のレース展開が大きな魅力です。
ミニ四駆やラジコンが大好きな子供から大人まで、全員が本気で競い合う熱いレースを行う際にはこのレーシングドローンは欠かせない存在です。
軍事用ドローン
続いて、軍事用ドローンです。
軍事用ドローンとは、人が搭乗しないタイプの戦闘機のことを指します。
ドローンは軍事目的で開発されたことが最初の発端だと言われています。
現在では欧米を中心とする様々な国で研究開発が進められていて、各国の軍備品として欠かせないものになっています。
水中ドローン
続いて、水中ドローンです。
水中ドローンとは『水の中を潜水・潜航しながら撮影できる小型無人機』のことを指します。
英語では、ROV(Remotely Operated Vehicle)とも呼ばれており、水中撮影や水産業、点検、マリンレジャーなど様々な分野において利活用が進んでいます。
宇宙ドローンとは
さて、この項目では今回のメインテーマである『宇宙用ドローン 』についてお話ししていきたいと思います。
宇宙用ドローンとは、宇宙空間において人間の代わりに宇宙ステーションの修理などの作業から、惑星探査作業を担うドローンのことを指します。
現在、JAXAやNASAで研究開発が進められており、これからの宇宙探索や惑星探索において非常に期待がかけられてているテクノロジーなんですね。
上の画像はJAXAが設計した火星探査用ドローンで、火星に存在する可能性があると言われている『水資源』の調査、火星にある洞窟内の調査に利活用される予定とのこと。
火星における過酷な気温や湿度、その他の条件をクリアするため、様々な研究が重ねられているようですね。
また、こうした大型機だけでなく宇宙ステーションの様子を観察できる小型のドローンも開発が進められています。
上の写真はJAXAが独自開発したドローン「JEM自律移動型船内カメラ(Int-Ball(イントボール))」で、内蔵の小型ファンによる風力で自律的に空間を移動し、静止画と動画の撮影を行うことができるのが特徴のドローンです。
「JEM自律移動型船内カメラ(Int-Ball(イントボール))」について
筑波宇宙センター(TKSC)からの遠隔操作を受け、内蔵の小型ファンによる風力で自律的に空間を移動し、静止画と動画の撮影を行うことができるのが特徴。どんなアングルからの撮影も可能ということで、映像はリアルタイムで地上の管制官や研究者が確認し、宇宙飛行士にフィードバック可能だ。既存のドローン技術を採用し、かつ外装(筐体)と内部構造をオール3Dプリントで製造している。
実は宇宙飛行士の作業時間の約10%程度を「撮影」作業が占めている。そこで作業時間の短縮・効率化を図るため、JAXAは宇宙空間で活動できる「Int-Ball」を開発したというのが経緯の一つ。最終的には宇宙飛行士による撮影時間“ゼロ”を目指すとのことで、更なる性能向上・機能拡張を計画している。
※AMPの公式サイトより
どんなアングルからの撮影も可能ということで、映像はオンタイムで地上の管制官や研究者が確認できる仕組みになっているようです。
まさに地上と宇宙空間とを繋ぐ希望の架け橋になる存在と言えます。
宇宙ドローンの課題
最後に、宇宙ドローンにおける課題についてお話ししていきたいと思います。
宇宙ドローンの課題はいくつかありますが、中でも大きく二つ『自律飛行』と『装甲』に分けられると言われています。
一つ目の『自律飛行』では、惑星探索中での通信制御の課題があります。
実は、地球上から火星など宇宙空間へのドローン操縦指示は、数分の時差が生じてしまうんですね。
そのため、流動的な現場でのリアルタイムな制御はドローンに一任する必要があり、自律飛行が欠かせません。
事前に考えた戦略に則りつつも、その場その場で対処するような飛行ルート制御と、臨機応変な対応が求められているんですね。
また、洞窟内に入り、完全に通信が切れてしまう時も、ドローン自身による対処が求められるので、そこは大きな技術課題の一つと言えます。
二つ目の『装甲』では、宇宙における過酷な気候状況に耐えられるかという課題があります。
宇宙空間では、地球上では考えられないくらい熱い気温の地帯や氷点下数百度の地帯があります。
そうした環境における自律制御のためには、通信はもちろんそうした環境に耐えうる装甲が必要になります。
特に、寒い地域では電子機器に障害を与える可能性が高く、電気ヒーターやヒートパイプなどで対処する必要があります。
一方で、モーターなどは熱を持つとオーバーヒートしてしまうので、冷却の機能をつける必要もあり、適温調整機能にも課題が多く存在しています。
最後に
いかがだったでしょうか。
今回は、『ドローンの種類』についてお話しさせていただきました。
これからも、ドローンに関する最新情報や技術紹介を行なっていきますのでぜひご覧いただければと思います。
それではまた次回の記事でお会いしましょう。